木の名前の話vol.3『ナラ・カシ』その2
みなさんこんばんは。
前回のナラ・カシの話その1 の最後に海外のナラ・カシへと話が繋がるフラグも立てましたので、ここから『オーク』も交えて話を進めていきます。
ブナ科コナラ属 オーク。
ゲーム好きな人は、先にモンスターを思い浮かべてしまうかもしれない名前ですが、
樹木としてのオークは本当に身近な存在で、フローリング材、家具材、小物、などなどあらゆる木製品に使われます。
特徴もナラ・カシと同じく硬く重い材料です。
ナラ・カシ・オーク材
前回ナラとカシの違いは簡単に説明しましたが、オーク材は何が違うのでしょう?
オーク(oak)を和訳にかけてみると、
ナラ、カシ、カシワ
色んな和訳が出てきます。
有名なマインクラフトなんかのゲームでも、オークは樫と訳されています。
海外から入ってきた小説、ゲーム、映画 様々な作中に出てくる、「oak」という単語にに多くの人が混乱していました。
現在はネットで調べると、おおよそ答えが出てくるのですが、ややこしい問題です。
自分なりの答えとしては、オークはオーク。
なのですが、どれか選べと言われるとオークはナラ と答えます。
オークと言っても、色んな樹種を含んでいます。
そのほとんどは、日本でいうミズナラに近い樹種。
木材で言うと、ホワイトオーク材になる樹種達です。
木材のオークには、主にホワイトオークとレッドオークがあります。
ホワイトオークはウイスキーの樽になることで有名で、内装・家具材としても非常に人気が高いです。
オーク材は基本黄褐色なのですが、その中でもホワイトオークは白っぽく上品な雰囲気の木材です。
それに対しレッドオークはやや赤みがあり、個人的に明るい印象です。
その名の通り、材料の色味が違います。
(ホワイトオークの中にも赤い所、白い所、浅黒い所がありますが。)
↓ミズナラの木材・無塗装
↓ホワイトオークの樽材・無塗装
広島の世羅ワイナリーさんで撮影
(この2枚の写真だと、全然色が違う!となりますが、
この樽は陽が当たってやけてますし、撮影環境が違います。
同じ環境だと微細な色味の違いや木目の間隔・虎斑の出方等で見分けます。)
ホワイトオークは、生きている時に水を運搬する管、導管の中にチロースという糖質が蓄積し、それが管の中の栓になる事で水を通しづらくなっています。なので樽材として利用されます。
そして、その特性を活かす為に必ず板目材を樽に使用します。
レッドオークは、ホワイトオークと同じように、内装・家具材になりますが、醸造の樽には使われません。
レッドオークは、チロース蓄積の特徴がないので樽を作ってもお酒か漏れてしまうそうです。
木材はホワイトオークと比べるとやや安価です。
ホワイトオークは樽材として使われるので需要が高く、価格も上がるんですね。
樹木として見ると、どれも近い種なので似てはいるのですが、
どれも葉の形に特徴があります。
↓ミズナラの葉(広島森林公園)
↓広島植物公園 同じ木でも若干形が違います。
ホワイトオーク、レッドオークは、
もっとこう、ぐにゃぐにゃしたようなメタモンみたいな葉っぱです。
(フリー画像・自分が撮った写真がないので、画像検索してみてください!)
日本で言うと、どちらかと言うとカシワ(これまたブナ科コナラ属)に近いです。
↓ 左側カシワ。右側ミズナラ
このミズナラは鋸歯がすごく浅いです。
カシワは、柏餅で有名ですね。
ナラと非常に近い種で、ナラとカシワの中間種でナラガシワという樹種があるくらいです。
ちなみに、別名はカシワナラだそうです。
ということで、オークはナラに近いとは言いましたが、結構カシワとも近いです。
ただ、通説はナラとなっていることが多いです。
ちなみに、カシはオークではなく、live oak(ライブオーク)と呼ばれるそうです。
これは、冬季にナラは落葉して死んだように幹だけになりますが、
カシは常緑で生き生きしているので live だ!という事かと思います。
この度、ライブオークについて色々調べているのですが、ライブオーク材 として木材が流通している情報が見当たりませんでした。
海外のカシはどんな名前で流通しているのでしょうか。
詳しい方いらっしゃったらコメントお願いします。
↓日本のカシ材
オーク・ナラより少し浅黒く、木目が詰んでいる印象
それでは、ナラ・カシ・オークの話その2。
一旦ここまでとさせていただきます。
まだ書けることがある気もしますので、思いつきましたら、記事を追加しようかと思います!
(オークの虎斑模様(シルバーグレイン)と樹木としての放射柔細胞の話なんかもしたいですね、、)
それでは長くなりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。