樹木材ブログ

樹木と木材 。元々は同じ物なのですが、樹木業界(生態環境・造園等)と木材業界(家具・建材等)が分かれたせいで、別々の物と捉えられています。樹木と木材は当然密接な繋がりがあるので、そのような木の面白い話ができればと思っています。

木の名前の話vol.3『ナラ・カシ』その1

みなさん、こんにちは

 

木の名前の話第三弾はナラ・カシの話です。

このテーマは確実に話が長くなると思いますが、いくつかの記事に分けて、濃い内容をお届け出来るように頑張ります。

 

それではまず、ナラとカシはどんな木かと言うと、

どちらもブナ科コナラ属の樹木で、高木になる広葉樹です。

いずれも鋸歯があり、直線的でシンプルな葉脈が各鋸歯に向かって走っている という特徴を持っています。

 

そして、ナラとカシの違いは、落葉樹か常緑樹か で決まります。

 

ナラは落葉樹で、カシは常緑樹です。

 

おおよそ全ての落葉樹・常緑樹に言える事ですが、

落葉樹のナラは薄く柔らかな、葉の表面がマットでサラッとした感じです。

常緑樹のカシは厚く硬い、照りのあるツルッとした葉をしています。

 

↓ナラの葉

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↓カシの葉

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西日本では、カシは街中でもよく見かける木で、ナラは少し山に入らないと出会わない木という印象です。

 

 

木材としても、各樹種により特性は違いますが、おおよそ全てのナラ・カシ類は硬く重い材になります。

カシは漢字で「樫」、木へんに堅いと書きます。

 

例えば、代表的なカシであるアカガシは木刀の材料として有名ですし、その他のカシも強度の必要な農具や工具の柄になります。

ウバメガシは、備長炭の材料にもなったりします。

 

ナラも、フローリングや家具材等によく使われ、家具屋に行けば必ずナラ材の家具に出会えます。

 

 

樹木の勉強をしていると、ナラ・カシだけでなく、

シイ という木も併せて覚えなければなりません。

 

このシイはブナ科シイ属の常緑樹で、コナラ属ではないのですが、形態的にはかなりカシに近いです。

樹木の葉には、同種内でもサイズや形状に若干の違いがあり、葉の小さいシラカシスダジイ等のシイ類は、パッと同定するのが難しい程よく似ています。

 

シイの中でも、マテバシイは食べられるドングリがなる事で有名です。

 

ちなみに、ドングリと言うのはブナ科の(主にコナラ属の)樹木の堅果の名称で、広義では、クリやクヌギを含むカシ、ナラ、カシワ、シイなどに成ります。

 

 

ナラ・カシ類は木材やドングリとして親しまれ、カシは身の回りでよく見かける事から、人に近い木と言えると思います。

 

そして、それは海外でも同じです。

 

ということで、木の名前の話vol.3『ナラ・カシ』その1はここまで!

次回から海外でのナラ・カシの話も織り交ぜて、話をしようと思います。

 

それでは。